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【現役職員が語る】山梨県庁の仕事内容|組織体制・面接対策・試験倍率を徹底解説

目次

はじめに

山梨県庁を志望する受験生の皆さん、自治体研究は順調に進んでいますか?

私が県庁を受験したとき、最初は「富士山がある県」くらいの認識しかありませんでした。でも、自治体研究を深めるうちに、山梨県の持つポテンシャルの大きさに驚いたんです。日本一の富士山、日本一の日照時間、ぶどう・もも・ミネラルウォーター生産量日本一
豊かな自然と産業資源を持ちながら、東京からわずか90分という近さ。この立地を活かして、地方創生のモデルを創れる可能性がある。そう感じて、「ここで新しい山梨を創りたい」と強く思うようになりました。

この記事では、山梨県庁の組織構造や具体的な業務内容、実際の職場環境について、現役職員の視点から詳しく解説していきます。志望動機の作り方や面接対策のヒントも盛り込んでいますので、ぜひ最後までお読みください。

山梨県庁の基本情報と組織概要

山梨県は本州の中央部に位置し、八ヶ岳、南アルプス、富士山などの山々に囲まれた内陸県です。県土の約8割が山岳地帯で、「山紫水明の地」として知られています。

主な基本データ

項目内容
人口約81万人(全国第41位)
面積4,465平方キロメートル
職員数約3,400人(知事部局・教育委員会等含む)
一般会計予算約5,000億円規模
市町村数13市5町9村

山梨県の特徴は、その「豊かな自然資源」と「首都圏近接性」にあります。富士山、南アルプス、八ヶ岳などの山岳観光資源、富士五湖、昇仙峡などの景勝地、石和温泉、河口湖温泉などの温泉地を有し、年間約3,000万人の観光客が訪れます。

農業面では、ぶどう、もも、すももの生産量が全国第1位。特にぶどうは全国生産量の約4分の1を占め、ワイン生産も盛んです。また、ミネラルウォーターの生産量も全国第1位で、国内シェアの約4割を占めています。

工業面では、機械電子工業が盛んで、特に半導体・電子部品関連の企業が多数立地しています。また、宝飾産業も盛んで、国内ジュエリー生産の中心地となっています。

東京から特急で90分、中央自動車道で約1時間半という近さから、首都圏の「田舎暮らし」の受け皿としても注目されており、移住・二拠点居住の促進に力を入れています。

山梨県庁の組織は本庁のほか、県内各地に総合県民センターや出先機関があります。私はこれまで本庁と地域の出先機関の両方を経験しましたが、山梨県の特徴は「首都圏との近さを活かした施策展開」だと感じます。観光でも、移住促進でも、農産物のブランド化でも、常に「東京にどう売り込むか」という視点があります。また、富士山という世界的なブランドを持っているため、国際的な視点も求められます。地方でありながら、首都圏や世界とつながっている。そのダイナミズムが、山梨県庁で働く面白さだと思います。

(山梨県庁職員・入庁6年目)

山梨県庁の業務の特徴

山梨県庁の業務は、県の特性を反映して多岐にわたります。主な業務分野をご紹介します。

観光振興・ブランド戦略

富士山、南アルプス、富士五湖など、豊富な観光資源を活かした誘客促進が最重要課題の一つです。インバウンド対策、体験型観光の開発、滞在型観光の促進、観光DXの推進などが展開されています。また、「やまなし」ブランドの確立にも力を入れています。

農業振興・ワイン産業育成

ぶどう、もも、すももなど果樹のブランド力強化、ワイン産業の振興、農産物の海外展開、6次産業化支援、担い手の確保・育成などが重要な政策課題です。特にワインは「ワイン県やまなし」として、国内外への発信を強化しています。

リニア中央新幹線開業に向けた取り組み

2027年開業予定のリニア中央新幹線を見据えた地域づくりが重要課題です。リニア駅周辺の開発、二次交通の整備、リニアを活かした産業振興、観光振興などが進められています。東京~甲府が最短25分で結ばれることで、新たな可能性が広がります。

移住・定住促進

東京圏からのアクセスの良さを活かし、移住・定住、二拠点居住の促進に力を入れています。移住相談窓口の充実、住宅支援、就職支援、お試し移住体験などが展開されています。「やまなし暮らし」の魅力発信も積極的に行われています。

産業振興・企業誘致

機械電子工業の集積強化、半導体関連企業の誘致、宝飾産業の振興、スタートアップ支援など、県内産業の競争力強化が進められています。また、リニア開業を見据えた企業誘致も重要なテーマです。

環境・エネルギー政策

富士山の環境保全、南アルプスのユネスコエコパーク保全、森林資源の活用、2050年カーボンニュートラルに向けた再生可能エネルギーの導入促進などが展開されています。豊かな自然環境を守りながら、持続可能な社会を実現することが目指されています。

福祉・医療

高齢化が進む中、地域医療体制の充実、地域包括ケアシステムの構築、医師・看護師の確保、介護人材の育成などが重要です。特に中山間地域の医療提供体制の維持は課題となっています。

子育て支援・教育

保育環境の充実、子育て世帯への経済的支援、結婚支援、ワークライフバランスの推進など、切れ目ない子育て支援を展開しています。また、ICT教育の推進、グローバル人材の育成にも力を入れています。

防災・減災対策

富士山噴火への備え、地震対策、豪雨・土砂災害対策、豪雪対策など、多様な自然災害への対応が重要です。防災インフラの整備、防災体制の強化、自主防災組織の育成などが進められています。

私は入庁後、観光部門→農政部門→リニア推進部門と異動してきました。最初は「また一から勉強か…」と思いましたが、今ではこの経験が私の強みです。観光でブランディングの重要性を学び、農政で生産者の思いに触れ、リニア推進で将来の山梨の姿を描く
これらの経験が複合的に活きて、「どうすれば山梨の魅力を最大化できるか」を多角的に考えられるようになりました。山梨県庁の職員は「ゼネラリスト」として育成されますが、それは山梨県の多様な資源を活かした施策を考えるために、幅広い視野が必要だからだと理解しています。一つの専門を深く極めたい人には物足りないかもしれませんが、様々な分野を経験しながら成長したい人には最適な環境だと思います。

(山梨県庁職員・入庁6年目)

山梨県庁の代表的な政策・取り組み事例

山梨県が現在力を入れている主な政策を紹介します。面接でもよく問われるテーマですので、しっかり理解しておきましょう。

1. 「やまなしDynamicプラン」

県の総合計画として、「県民一人ひとりが豊かさを実感できるやまなし」を基本理念に掲げ、人口減少対策、産業振興、安全・安心な暮らしの実現などに取り組んでいます。特に、リニア開業を見据えた地域づくりが特徴です。

2. リニア環境未来都市の実現

2027年開業予定のリニア中央新幹線を最大限に活かし、「リニア環境未来都市」の実現を目指しています。リニア駅周辺の開発、交通ネットワークの充実、産業振興、観光振興など、総合的な施策が展開されています。

3. やまなし観光推進計画

富士山、富士五湖、南アルプス、ワイナリーなど、多様な観光資源を活かした観光振興が進められています。特にインバウンド誘客、体験型観光の充実、デジタルマーケティングの活用などに力を入れています。「富士の国やまなし」のブランド力強化も重要なテーマです。

4. ワイン県やまなしの推進

日本ワインの約4割を生産する山梨県では、「ワイン県やまなし」をキーワードに、ワイン産業の振興を推進しています。ワイナリーの経営支援、ワインツーリズムの促進、海外展開の支援、人材育成などが展開されています。

5. やまなしブランドの確立

ぶどう、もも、ミネラルウォーター、ワイン、宝飾品など、山梨県の特産品のブランド力を高め、国内外への販路拡大を支援しています。「やまなし」ブランドの統一的な発信にも取り組んでいます。

6. 移住・定住の促進

東京圏から近く、豊かな自然環境を持つ山梨県の強みを活かし、移住・定住、二拠点居住の促進に力を入れています。「やまなし暮らし支援センター」の運営、住宅支援、就職支援、テレワーク環境の整備などが展開されています。

7. 富士山の保全と活用

世界文化遺産である富士山の環境保全と、観光資源としての活用を両立させる取り組みが進められています。環境保全対策、登山者の安全対策、オーバーツーリズム対策などが重要なテーマです。

8. やまなし子育て支援プラン

保育環境の充実、経済的支援、働き方改革、結婚支援など、切れ目ない子育て支援を展開しています。特に、子育て世帯の移住促進と連携した施策が特徴です。

9. カーボンニュートラルの実現

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、豊富な森林資源や日照時間を活かした再生可能エネルギーの導入促進、省エネルギー対策、森林吸収源対策などを推進しています。

10. 健康長寿やまなしの推進

健康寿命の延伸を目指し、健康づくりの支援、医療体制の充実、介護予防の推進などが展開されています。豊かな自然環境を活かした健康づくりも特徴です。

これらの施策について、自分なりの意見や関心を持っておくと、面接で説得力のある回答ができます。特にリニア中央新幹線開業は、今後の山梨県にとって最重要テーマの一つです。

勤務環境・職員文化

異動サイクル

山梨県庁の異動は、概ね3〜5年程度のサイクルで行われます。若手職員の場合、幅広い経験を積むために比較的短期間で異動することもあります。本庁と総合県民センター・出先機関を行き来することも多く、県内各地での勤務を経験する職員が多いのが特徴です。

本庁勤務の場合は甲府市(県庁所在地)での勤務となりますが、山梨県はコンパクトな県土であるため、県内のほとんどの地域から通勤可能です。職員住宅も用意されており、転居を伴う異動の場合も安心です。

働き方改革の取り組み

山梨県庁でも働き方改革が進められており、以下のような取り組みが実施されています。

  • フレックスタイム制度:一部の部署で導入され、柔軟な勤務が可能
  • テレワーク:コロナ禍を機に導入が進み、現在も活用されている
  • ノー残業デー:週に1回、定時退庁を推奨
  • 年次有給休暇の取得促進:計画的な取得を推奨
  • 育児・介護との両立支援:短時間勤務制度、部分休業制度など
  • ワークライフバランス推進:職員の働きやすい環境づくりを推進

ただし、部署によって業務量や性質は大きく異なります。議会対応や予算編成、災害対応、観光イベントなどの時期は忙しくなる部署もあれば、比較的落ち着いて働ける部署もあります。

職場の雰囲気

山梨県庁の職場文化は、真面目で堅実、協調性を重視する傾向があります。山梨県民の県民性である「勤勉」「素朴」が職場にも反映されており、コツコツと着実に仕事を進める文化があります。

先輩職員が後輩を丁寧に指導する文化があり、困ったときに相談しやすい環境が整っています。組織の規模も適度で、職員同士の顔が見える関係が築きやすく、温かみのある職場が多いと感じます。

また、リニア開業という大きな目標に向けて、県庁一丸となって取り組んでいる雰囲気があります。「山梨の未来を創る」という使命感を持った職員が多いと感じます。

職員の声(体験談)

Qさん(入庁6年目・観光文化部)

私が山梨県庁を志望したのは、地元山梨の観光資源を活かした地域づくりに関わりたいと思ったからです。大学で観光学を学ぶ中で、山梨県が持つポテンシャルの大きさに気づきました。富士山、富士五湖、南アルプス、ワイナリー
これだけの観光資源を持ちながら、宿泊者数は決して多くない。この資源を最大限に活かせば、観光立県として大きく飛躍できると考えました。

入庁後は最初、農政部門に配属されました。正直「観光がやりたかったのに…」と思いましたが、この経験が今になって活きています。ぶどうやももの生産現場を知り、ワイナリーの方々と接したことで、農業と観光を組み合わせた「ワインツーリズム」の可能性を実感しました。

その後、念願の観光文化部に異動し、現在はインバウンド誘客を担当しています。富士山は世界的な知名度がありますが、まだまだ山梨県全体の魅力は知られていません。海外の旅行会社と連携し、富士山だけでなく、ワイナリー巡り、温泉、果物狩りなど、山梨の多様な魅力を発信する仕事に携わっています。

印象に残っているのは、欧州の旅行会社を招いたファムトリップ(視察旅行)を企画したことです。富士五湖、昇仙峡、ワイナリーを巡るコースを案内したところ、「こんなに素晴らしい場所が東京から90分の距離にあるとは驚きだ」と高く評価していただけました。山梨の可能性を改めて実感した瞬間でした。

受験生の皆さんへ。面接では「なぜ山梨県なのか」を深く考えてください。山梨県は、豊かな自然と首都圏近接性を両立させた県です。また、リニア開業という大きな転換点を迎えます。この特性を理解し、自分がどう貢献できるかを語れるようにしてほしいです。

Rさん(入庁4年目・リニア環境未来都市推進局)

私は県外出身で、大学時代を山梨で過ごしました。卒業後は地元に戻ることも考えましたが、山梨で働くことを決めました。理由は、リニア中央新幹線開業という「歴史的な瞬間」に立ち会えるからです。東京~甲府が25分で結ばれるという、県の未来を大きく変える出来事に、行政の立場から関わりたいと思いました。

現在はリニア駅周辺の開発計画に携わっています。駅周辺をどう開発するか、どんな産業を誘致するか、どう交通ネットワークを整備するか
すべてが新しい挑戦です。国、市町村、民間企業など、多様な関係者と調整しながら、山梨の未来を創る仕事にやりがいを感じています。

印象に残っているのは、リニア駅周辺の開発計画について住民説明会を開いたことです。「どんな街になるのか」「自分たちの暮らしはどう変わるのか」
住民の方々の期待と不安の両方を感じました。その声をしっかりと受け止め、誰もが「リニアが来て良かった」と思える地域づくりを実現することが、私たちの使命だと感じています。

山梨県庁の魅力は、「県の未来を創る実感」だと思います。リニア開業という大きな転換点を迎える今、職員一人ひとりが「山梨の未来をどうするか」を真剣に考えています。その熱量が、職場全体に満ちていると感じます。

受験生の皆さん、試験勉強は大変だと思いますが、「県庁で何をしたいか」というビジョンを持つことで、モチベーションを維持できます。山梨県を実際に訪れて、地域の魅力や課題を自分の目で確かめてみてください。そこで感じたことを、志望動機につなげていくと良いと思います。応援しています!

給料・年収・福利厚生

初任給(大卒行政職)

山梨県庁の初任給は、地方公務員の給与体系に基づいて設定されています。

学歴初任給(月額・目安)
大学卒(上級)約188,000円
短大卒(中級)約168,000円
高校卒(初級)約156,000円

※上記は基本給の目安であり、扶養手当や通勤手当などは別途支給されます。

年収の目安

年齢や役職によって異なりますが、概ね以下のような目安になります。

年代・役職年収目安
20代(一般職員)約350万円〜450万円
30代(主査級)約500万円〜650万円
40代(課長補佐級)約650万円〜800万円
50代(管理職)約800万円〜1,000万円

※上記はボーナスを含む年収の概算です。

福利厚生

山梨県庁の福利厚生は充実しており、以下のようなものがあります。

  • 各種手当:扶養手当、住居手当、通勤手当、時間外勤務手当など
  • 休暇制度:年次有給休暇(年20日)、夏季休暇、結婚休暇、出産休暇、育児休業、介護休暇など
  • 共済組合:医療保険、年金、各種福祉事業
  • 職員住宅:県内各地に配置
  • 各種貸付制度:住宅資金、教育資金、災害時の緊急貸付など
  • メンタルヘルス対策:相談窓口の設置、研修の実施
  • 自己啓発支援:資格取得支援、研修機会の提供

特に、育児と仕事の両立支援には力を入れており、男性職員の育児休業取得も推進されています。

採用試験の内容

山梨県庁の採用試験は、職種や受験区分によって異なりますが、一般的な行政職(上級)の場合、以下のような流れになります。

試験の流れ

  1. 第一次試験
    • 教養試験(択一式)
    • 専門試験(択一式)
    • 適性検査
  2. 第二次試験
    • 論文試験
    • 個別面接
  3. 第三次試験
    • 個別面接

教養試験・専門試験

教養試験は、一般知識(社会科学、人文科学、自然科学)と一般知能(文章理解、判断推理、数的処理など)で構成されます。専門試験は、法律、経済、行政などの専門科目から出題されます。

難易度は標準的で、基礎をしっかり固めて過去問演習を重ねれば十分対応可能です。

論文試験

論文試験では、県政の課題や時事問題について、自分の考えを論理的に述べることが求められます。

よく出題されるテーマ

  • リニア中央新幹線を活かした地域づくり
  • 人口減少・少子高齢化対策
  • 観光振興
  • 移住・定住促進
  • 産業振興・企業誘致
  • 農業振興・ブランド化
  • 子育て支援
  • 環境保全・脱炭素化
  • デジタル化の推進

制限時間内に、課題の現状分析→原因の考察→具体的な解決策という流れで論理的に書くことがポイントです。山梨県の特性を踏まえた具体的な提案ができると評価が高まります。

面接試験

面接は、二次試験と三次試験で合計2回実施されます。

面接でよく聞かれる質問

  • 志望動機(なぜ山梨県庁か、なぜ公務員か)
  • 山梨県の魅力や課題について
  • リニア中央新幹線について
  • 関心のある県の施策
  • 学生時代に力を入れたこと
  • 困難を乗り越えた経験
  • チームで協力した経験
  • ストレスへの対処法
  • 10年後のキャリアビジョン
  • 県外出身者の場合:なぜ山梨県を選んだのか
  • 県内各地への異動は大丈夫か

特に志望動機は深掘りされるので、「なぜ山梨県なのか」を具体的に語れるようにしておきましょう。県の施策や地域特性について、自分なりの意見を持っておくことが大切です。

試験倍率

山梨県庁の試験倍率は、近年では全体で4〜6倍程度で推移しています。職種や年度によって変動がありますが、しっかりと対策すれば十分に合格を狙えるレベルです。特に面接対策を怠らず、自己分析と自治体研究を深めることが合格への近道となります。

志望動機を作るコツ(山梨県庁編)

志望動機は、面接で最も重視される項目の一つです。ありきたりな内容ではなく、「あなただけの志望動機」を作ることが重要です。

ポイント1:山梨県の地域課題に触れる

山梨県が抱える課題(人口減少、少子高齢化、若者の県外流出、中山間地域の過疎化、観光の宿泊客数の少なさなど)に言及し、その課題に対する自分なりの問題意識を示しましょう。

ポイント2:県の重点政策を盛り込む

「リニア環境未来都市の実現」「やまなし観光推進」「ワイン県やまなし」「移住・定住促進」など、県が力を入れている施策に触れ、その施策に共感した理由や、自分が貢献できる点を述べましょう。

ポイント3:山梨県の強みを理解する

山梨県には、富士山という世界的ブランド、豊かな自然、東京から90分という近さ、ぶどう・もも・ミネラルウォーター生産量日本一など、独自の強みがあります。この強みを理解し、「この強みを活かした地域づくりがしたい」という思いを志望動機に盛り込みましょう。

ポイント4:自分の経験とつなげる

大学での学びや、アルバイト、ボランティア、インターンシップなどの経験を、志望動機に結びつけましょう。「この経験が、県庁でこう活きる」という形で語ると説得力が増します。

ポイント5:「なぜ山梨県なのか」を明確に

他の自治体ではなく、山梨県でなければならない理由を説明しましょう。地元出身であればそのつながり、県外出身であれば山梨県に惹かれた理由を具体的に述べることが重要です。

志望動機の例文

私が山梨県庁を志望する理由は、ふるさと山梨の豊かな自然と首都圏近接性という強みを活かし、持続可能な地域づくりに貢献したいと考えたからです。

大学で地域政策を学ぶ中で、地方における人口減少と産業衰退の問題に関心を持つようになりました。山梨県も例外ではなく、特に若者の県外流出が課題となっています。しかし一方で、山梨県には富士山という世界的ブランド、豊かな農産物、そして東京から90分という近さという大きな強みがあります。さらに、2027年にはリニア中央新幹線が開業し、東京~甲府が最短25分で結ばれます。この歴史的な転換点を活かし、若者が「山梨で暮らしたい、働きたい」と思える環境を整えることで、持続可能な地域づくりができると考えています。

特に貴県が推進する「リニア環境未来都市の実現」に強く共感しました。私自身、大学時代に都市計画のゼミに所属し、地域の将来像を描く研究に取り組みました。リニア開業は山梨県にとって千載一遇のチャンスです。このチャンスを最大限に活かし、産業振興、観光振興、移住促進を進めることで、新しい山梨を創ることができると考えています。豊かな自然環境を守りながら、利便性も高める
その両立こそが、山梨県の目指すべき姿だと思います。

入庁後は、リニア推進や観光振興の分野で、山梨県の魅力を国内外に発信し、多くの人に「山梨で暮らしたい、訪れたい」と思ってもらえるような施策に携わりたいです。リニア開業という歴史的瞬間に立ち会い、山梨の未来を創ることが、私の目標です。

この例文のように、「課題認識→県の強み・施策への共感→自分の経験→入庁後のビジョン」という流れで構成すると、説得力のある志望動機になります。

まとめ

山梨県庁は、富士山をはじめとする豊かな自然資源と首都圏近接性を兼ね備え、リニア中央新幹線開業という歴史的転換点を迎える自治体として、観光振興、産業振興、移住促進、地域づくりなど、幅広い分野で施策を展開しています。職員は3〜5年のサイクルで異動しながら、多様な経験を積むことができます。

採用試験では、筆記試験の対策はもちろん、面接で「なぜ山梨県庁なのか」を自分の言葉で語れることが重要です。そのためには、県の施策や地域特性について深く理解し、自分なりの問題意識を持つことが欠かせません。

自治体研究と受験勉強を両立させるのは簡単ではありませんが、志望動機を考えるプロセスは、自分自身のキャリアや価値観を見つめ直す貴重な機会でもあります。「山梨県の課題」と「自分の思い」をしっかりとつなげて、説得力のある志望動機を作り上げてください。

山梨県庁で働くことは、ふるさとの未来を創る仕事です。リニア開業という歴史的瞬間に立ち会い、新しい山梨を創っていける職場です。皆さんの挑戦を心から応援しています。

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