国家一般職の人事院面接には、E評価という「一発不合格」になる評価があります。筆記試験でどれだけ高い点数を取っていても・E評価になった瞬間に最終合格の可能性がゼロになります。「まさか自分がE評価になるとは思っていなかった」という受験生が毎年一定数います。
E評価は「準備不足」だけが原因ではありません。知らずにやってしまう言動・面接官に与えてしまう印象が原因になることがあります。この記事では、人事院面接のE評価とは何か・E評価になる原因・絶対にやってはいけないこと・E評価を防ぐための準備を具体的に解説します。
- 人事院面接のE評価とは何か・一発不合格の仕組み
- E評価になる原因と具体的なパターン
- 面接で絶対にやってはいけないこと
- E評価を防ぐための準備と当日の心がけ
- D評価との違い・E評価に近い状態のサイン
人事院面接のE評価とは
人事院面接の評価はA・B・C・D・Eの5段階で行われます。このうちE評価は唯一「一発不合格」になる評価です。筆記試験(1次試験)の点数がどれだけ高くても・E評価になった時点で最終合格の可能性がゼロになります。
| 評価 | 最終合格への影響 |
|---|---|
| A評価 | 最終合格の順位が大きく上がる |
| B評価 | 最終合格を大きく後押しする |
| C評価 | 筆記試験の点数次第で合否が変わる |
| D評価 | 筆記試験で高得点を取らないと最終合格は難しい |
| E評価 | 一発不合格(筆記の点数に関わらず) |
E評価の具体的な基準は人事院から公表されていません。ただしこれまでの受験生の体験談・支援実績から、E評価になりやすい言動・状態のパターンが見えてきます。この記事ではそのパターンを具体的に解説します。なお評価基準の詳細は人事院の公式サイトで確認してください。
E評価になる原因
E評価になる原因は大きく3つに分類できます。
原因① コミュニケーションが成立しない状態
面接官の質問に対して・全く回答できない・あるいは質問の意図と全くかみ合わない回答を続ける状態です。緊張によって言葉が出なくなるケースと・準備不足によって何も語れないケースの両方が含まれます。
「面接官が3回同じ質問をしても・全く回答が出てこない」「質問とは全く関係のない話を延々と続ける」という状態がこのパターンに当てはまります。コミュニケーションが成立しないと・面接官は「この受験生の行動特性を読み取ること」ができないため、評価自体が成立しない状態になります。
原因② 面接官への著しく失礼な態度
面接中に面接官に対して失礼な態度を取るパターンです。具体的には以下のような行動が該当します。
- 面接官の発言を遮って話し続ける
- 面接官の質問に対して明らかに不機嫌な態度を示す
- 面接官を見下したような発言・態度を取る
- 面接中に席を立つ・突然退室しようとする
面接官への礼節は社会人としての基本です。著しく礼節を欠く態度は・国家公務員としての適性を根本から疑われる原因になります。
原因③ 明らかな虚偽・矛盾のある発言
面接カードに書いた内容と面接本番での発言が明らかに矛盾する・あるいは面接官が「これは事実ではない」と判断するような発言を続けるパターンです。
深掘り質問が来るたびに話の内容が変わる・面接カードには「3年間続けた」と書いてあるのに質問に答えられない・という状態がこのパターンに当てはまります。コンピテンシー面接では過去の実際の行動を問う質問が中心になります。実際の経験ではなく「良さそうな話」を作って臨むと・深掘りの中で矛盾が露呈します。
E評価に近い状態のサイン
E評価の一歩手前である「E評価に近い状態」にも共通するサインがあります。面接の準備段階でこれらのサインに気づいた場合は、すぐに対策を見直してください。
サイン① 志望動機が全く語れない
「なぜ国家公務員を志望するのか」という最も基本的な質問への回答が準備できていない状態です。「安定しているから」という回答が深掘りされると何も語れない状態や・「特に理由はない」という回答は・面接官に「この受験生は国家公務員という仕事を真剣に考えていない」という印象を与えます。
サイン② 面接カードに書いた内容を全く覚えていない
面接カードの内容を提出後に全く確認していないため・面接官から「面接カードにこう書いてありますが」と言われても答えられない状態です。面接官は面接カードを手元に持ちながら質問します。自分が書いた内容を答えられないことは・面接官に「誠実さがない受験生だ」という強い印象を与えます。
サイン③ 全ての質問に「特にありません」と答える
挫折経験・苦手な人・失敗経験という質問に対して全て「特にありません」と答え続けるパターンです。人生で一度も挫折・失敗・苦手な人を経験したことがない受験生はいません。「特にありません」という回答を連発することは・「自己認識ができていない・あるいは正直に話せない受験生だ」という印象を与えます。
サイン④ 関心事項について何も語れない
面接カードに書いた関心事項について・「なぜ関心があるか」「どんな問題があると思うか」という質問に全く答えられない状態です。自分が書いた内容について語れないことは・面接官に「面接カードに書いてある内容を本当に関心があって書いたわけではない」という印象を与えます。
絶対にやってはいけないこと
E評価を防ぐために「絶対にやってはいけないこと」を整理します。
やってはいけないこと① 面接を途中で放棄する
緊張や焦りから「もうだめだ」と感じて・面接を途中で投げ出す行動は絶対に避けてください。「退室してもいいですか」という発言・突然席を立つ行動・面接官の質問を無視し続けるという行動がこれに当たります。どれだけ面接がうまくいっていないと感じても・最後まで誠実に向き合うことが重要です。
やってはいけないこと② 面接カードに嘘を書く
コンピテンシー面接は「過去の実際の行動」を問う面接です。実際には経験していないことを面接カードに書いて臨むと・深掘り質問の中で必ず矛盾が生じます。「実際には経験していないが・良さそうな話を作った」という面接カードは・深掘りの中で崩れます。実際の経験を正直に書くことが・深掘りへの耐性を生みます。
やってはいけないこと③ 面接官に対して攻撃的・挑発的な発言をする
面接官の質問に対して「その質問の意図がわかりません」「なぜそんなことを聞くのですか」という攻撃的・挑発的な発言は絶対に避けてください。質問の意図が理解できない場合は「少し確認させてください。〇〇ということについてのご質問でしょうか」という丁寧な確認が正しい対処です。
やってはいけないこと④ 準備なしで本番に臨む
「面接は雰囲気でなんとかなる」という考えで準備なしに臨むことは危険です。人事院面接はコンピテンシー評価型面接であり・面接官は「過去の行動から思考の深さを読み取ること」を目的として質問します。この構造を知らないまま臨むと・深掘り質問で完全に詰まる状態になるリスクがあります。
やってはいけないこと⑤ 緊張を「言い訳」にする
「緊張しているので」という言葉を多用して・回答を省略したり・早々に諦めたりすることは避けてください。緊張することは自然なことですが・「緊張しているので答えられません」という言葉は面接官に「プレッシャーに弱い受験生だ」という印象を与えます。詰まったときは「少し考えてよいですか」という正直な一言が最も自然な対処です。
D評価とE評価の違い
D評価とE評価の違いを正確に把握しておくことも重要です。
D評価は「準備不足・準備の方向性のずれ」による低評価です。面接官との最低限のコミュニケーションは成立しているが・回答の質が低い・志望動機が薄い・深掘りに全く答えられないという状態です。D評価は筆記試験の高得点でカバーできる可能性が残っています。
E評価は「コミュニケーション自体が成立しない・著しく失礼な態度・明らかな虚偽」という、評価以前の問題が生じている状態です。筆記試験の点数に関わらず一発不合格になるという点でD評価と根本的に異なります。
D評価を防ぐためには正しい方向性での準備が必要です。E評価を防ぐためには・面接官への礼節・正直な発言・最低限のコミュニケーションを維持することが基本になります。
E評価を防ぐための準備と当日の心がけ
E評価を防ぐための準備と・当日の心がけを整理します。
準備① 面接カードの内容を完全に把握する
自分が書いた面接カードの内容を前日に必ず読み直してください。「なぜこう書いたか」という理由を全設問について言語化できる状態にすることが基本です。自分が書いた内容について答えられない状態は・E評価に近い印象を与えます。
準備② 実際の経験を正直に語れる状態にする
コンピテンシー面接は「過去の実際の行動」を問う面接です。実際の経験を正直に語ることが最も深掘りに強い回答になります。「すごい経験でなければならない」という思い込みを捨てて・自分が実際に経験したことを「気づき→判断→行動」という構造で語れる状態にしてください。
準備③ 最低限の礼節を意識して練習する
入室から退室までの動作・面接官への言葉遣い・質問への向き合い方という礼節は・一度練習しておくことで本番での自然な振る舞いにつながります。声に出して練習する際に・礼節の部分も意識して練習してください。
当日① 詰まっても最後まで向き合う
面接本番で詰まる場面があっても・最後まで向き合い続けることが最も重要です。「少し考えてよいですか」という一言・「その点については・今考えてみると〜と思います」という誠実な姿勢が・面接官に「この受験生は誠実に向き合っている」という印象を与えます。
当日② 一つの質問を引きずらない
一つの質問でうまく答えられなかったと感じても・次の質問に切り替えることが重要です。前の質問への後悔を引きずったまま次の質問に臨むと・連鎖的に回答の質が下がります。「次の質問でしっかり伝えよう」という前向きな切り替えを意識してください。
当日③ 面接官への礼節を最後まで維持する
面接がうまくいっていないと感じる場面でも・面接官への礼節を最後まで維持してください。入室から退室までの全ての言動が評価の対象です。退室後・廊下や建物の外に出るまで面接の延長として行動することが基本です。
まとめ
人事院面接のE評価について整理します。E評価は一発不合格になる評価であり・筆記試験の点数に関わらず最終合格の可能性がゼロになります。E評価になる主な原因は「コミュニケーションが成立しない・著しく失礼な態度・明らかな虚偽」の3つです。
E評価を防ぐために最も重要なことは「面接カードの内容を完全に把握する・実際の経験を正直に語る・面接官への礼節を最後まで維持する」という3点です。準備の方向性を正しく設定して・誠実に面接に臨むことが・E評価を防ぐ最善の方法です。人事院面接の評価基準の詳細は人事院の公式サイトで確認してください。
よくある質問
Q. E評価になったら翌年も受験できますか?
はい。E評価による不合格は当該年度の試験における結果であり・翌年度以降の受験資格に影響しません。ただし受験資格(年齢要件等)は試験種によって異なるため・詳細は人事院の公式サイトで確認してください。
Q. 緊張で頭が真っ白になったらE評価になりますか?
緊張によって一時的に言葉が出なくなることは・E評価に直結するわけではありません。「少し考えてよいですか」という一言で時間を作ること・「その点については正直難しいですが・関連する経験として〜があります」という形で誠実に向き合うことが重要です。詰まること自体よりも・その後の誠実な対応が評価されます。
Q. 面接カードと違うことを話したらE評価になりますか?
面接カードの内容と本番の回答が多少異なることが・即座にE評価につながるわけではありません。ただし明らかな矛盾・虚偽と判断される場合は評価に影響します。面接カードの内容を前日に必ず読み直して・自分が書いた内容と本番の回答を一致させることが基本的な準備です。
Q. 面接が途中で終わったらE評価ですか?
面接時間が短く感じた・途中で打ち切られたように感じたという場合でも・必ずしもE評価とは限りません。面接の時間配分は受験生ごとに異なる場合があります。面接が短く感じた場合でも・自分が誠実に向き合えたかどうかを振り返ることが重要です。
Q. E評価を防ぐために最も重要な準備は何ですか?
最も重要な準備は「面接カードの内容を完全に把握して・実際の経験を正直に語れる状態にすること」です。コンピテンシー面接は過去の実際の行動を問う面接であり・実際の経験を正直に語ることが最も深掘りに強い回答になります。「すごい経験でなければならない」という思い込みを捨てて・自分が実際に経験したことを誠実に語ることがE評価を防ぐ最善の方法です。