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【現役職員が語る】高知県庁の仕事内容|組織体制・面接対策・試験倍率を徹底解説

目次

はじめに

公務員試験において、志望する自治体の特性を深く理解することは、面接での説得力を大きく左右します。都道府県庁は広域的な行政課題に取り組み、市町村を支援する役割を担っているため、その業務範囲は極めて広く、表面的な理解では本質を捉えることができません。

高知県庁で働いて実感するのは、この県が持つ「課題と可能性の共存」です。人口減少率・高齢化率が全国トップクラスという厳しい現実を抱えながら、豊かな自然、清流四万十川、坂本龍馬の精神、そして「日本一の健康長寿県構想」など、独自の魅力と挑戦的な政策を展開しています。こうした環境で、課題先進県として全国のモデルとなる政策に挑戦できることが、県職員として働く大きなやりがいです。

この記事では、高知県庁を志望する受験生の皆さんに向けて、組織の実態、業務の特徴、採用試験の傾向、そして実際に働く職員のリアルな声まで、詳細にお伝えします。自治体研究を通じて、あなた自身の志望動機を確立していきましょう。

高知県の基本情報と組織概要

高知県は四国の南部に位置し、太平洋に面した自然豊かな県です。人口は約68万人で、県庁所在地は高知市。森林率84%という全国1位の森林県であり、四万十川、仁淀川など清流に恵まれています。

項目内容
人口約68万人
県庁所在地高知市
職員数約3,500人(知事部局等)
予算規模一般会計約4,800億円
主要産業農業、林業、水産業、観光業

高知県庁の組織は、知事直轄の総務部をはじめ、危機管理部、健康政策部、文化生活スポーツ部、産業振興推進部、商工労働部、観光振興部、中山間振興・交通部、農業振興部、林業振興・環境部、水産振興部、土木部、教育委員会などで構成されています。特徴的なのは、「産業振興推進部」「観光振興部」「中山間振興・交通部」など、県の重点課題に特化した部局が多いことです。

県内には安芸、中央東、中央西、須崎、幡多の5つの福祉保健所があり、地域に密着した行政サービスを提供しています。また、土木事務所、農業振興センター、林業事務所など、多様な地域機関が配置されており、職員の多くはキャリアの中でこれらの機関も経験します。

高知県庁の仕事の魅力は、「課題先進県」だからこそできる挑戦です。私は入庁後、健康政策部に配属され、「日本一の健康長寿県構想」の推進を担当しました。高知県は高齢化率が全国トップクラスで、医療・介護の課題が深刻です。しかし、だからこそ全国に先駆けた施策を展開できます。私は在宅医療の推進や、あったかふれあいセンターの整備など、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられる仕組みづくりに携わりました。その後、中山間地域の振興を担当し、人口減少が進む地域での集落支援に取り組みました。課題は厳しいですが、地域の方々の温かさや、「この地域を守りたい」という強い想いに触れ、やりがいを感じました。高知県は小規模県ですが、だからこそ県民との距離が近く、顔の見える関係で仕事ができます。また、職員一人ひとりの裁量も大きく、若手のうちから責任ある仕事を任されます。課題先進県として、全国のモデルとなる政策を創る。そんな気概を持って働ける環境が、高知県庁の魅力です。

高知県は、高知市周辺に人口が集中している一方、中山間地域では人口減少と高齢化が極めて深刻です。また、県土の大半が中山間地域で、集落の維持が大きな課題となっています。一方で、清流四万十川、仁淀ブルーで知られる仁淀川、豊かな森林資源、そして坂本龍馬をはじめとする幕末の志士を輩出した歴史など、独自の魅力も多く持っています。

高知県庁の業務の特徴

高知県庁の業務は多岐にわたりますが、高知県ならではの特徴的な分野を中心に紹介します。

日本一の健康長寿県づくり分野
高知県の最大の特徴は、「日本一の健康長寿県構想」を掲げ、全国に先駆けた健康政策を展開していることです。地域医療の充実、在宅医療の推進、あったかふれあいセンターの整備、健康づくりの推進など、総合的な施策を展開しています。

中山間地域の振興分野
県土の大半が中山間地域であり、その維持・活性化は県政の最重要課題です。「集落活動センター」という独自の仕組みを全国に先駆けて導入し、複数の集落が連携して生活サービスを維持する取り組みを推進しています。

産業振興計画の推進分野
「高知県産業振興計画」に基づき、地産外商の推進、6次産業化の促進、起業・創業支援など、総合的な産業振興に取り組んでいます。特に、食品加工、IT、観光など、高知の強みを活かした産業の育成に力を入れています。

農林水産業振興分野
高知県は施設園芸(なす、ピーマン、ししとう等)が盛んで、園芸産地として全国的に知られています。また、ゆず、四万十川の鮎、カツオなど、特色ある農林水産物があります。これらのブランド化、担い手の育成、6次産業化の推進に取り組んでいます。

観光振興分野
四万十川、仁淀川、坂本龍馬の歴史、よさこい祭りなど、独自の観光資源を活かした観光振興に力を入れています。特に、「志国高知 幕末維新博」など、歴史を活かした観光キャンペーンを展開しています。

森林資源の活用分野
森林率84%という全国1位の森林県として、森林資源の活用は重要課題です。木材の生産・加工・流通の体制整備、CLT(直交集成板)の普及、森林環境の保全など、総合的な林業政策を展開しています。

南海トラフ地震への備え分野
高知県は南海トラフ地震で最大34メートルの津波が想定されており、防災・減災対策は県政の最重要課題です。津波避難施設の整備、避難訓練の実施、防災教育の推進など、総合的な対策を推進しています。

移住促進分野
「高知家」というキャッチフレーズで、移住・定住を積極的に促進しています。移住支援、就業支援、住宅支援など、総合的なサポート体制を整備しており、移住者数は着実に増加しています。

私は現在、中山間振興・交通部で集落活動センターの推進を担当していますが、高知県の中山間対策のユニークさを日々実感しています。「集落活動センター」は、複数の集落が連携して、生活、福祉、産業、防災など、様々な活動を行う拠点です。高知県が全国に先駆けて導入した仕組みで、現在県内に約80箇所あります。私は新しいセンターの立ち上げ支援や、既存センターの活動支援などを担当しています。先日、ある山間部の集落活動センターを訪れましたが、地域の方々が移動販売や配食サービス、子どもの見守りなど、様々な活動を行っていました。「この仕組みがなければ、集落は維持できなかった」と地域の方が言ってくださり、本当にやりがいを感じました。課題先進県だからこそ、全国に先駆けた仕組みを創る。そして、それが全国のモデルになる。これが高知県庁の仕事の醍醐味です。

高知県の代表的な政策・取り組み事例

高知県が現在重点的に取り組んでいる主な政策を紹介します。これらは面接でも頻出のテーマですので、しっかり理解しておきましょう。

1. 高知県産業振興計画の推進
高知県は「高知県産業振興計画」を策定し、地産外商の推進を核とした産業振興に取り組んでいます。食品、観光、IT、ものづくりなど、様々な分野で県産品・サービスを全国・海外に売り込む取り組みを展開しています。

2. 日本一の健康長寿県構想の推進
「日本一の健康長寿県構想」に基づき、地域医療の充実、在宅医療の推進、健康づくりの推進など、総合的な健康政策を展開しています。「あったかふれあいセンター」の整備など、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられる仕組みづくりを進めています。

3. 中山間対策の推進
「集落活動センター」という独自の仕組みを全国に先駆けて導入し、中山間地域の維持・活性化に取り組んでいます。複数の集落が連携して生活サービスを維持する取り組みは、全国から注目されています。

4. 移住促進の推進
「高知家」というキャッチフレーズで、移住・定住を積極的に促進しています。「高知県移住促進・人材確保センター」を設置し、移住相談、就業支援、住宅支援など、総合的なサポートを提供。移住者数は着実に増加しています。

5. 南海トラフ地震対策の推進
最大34メートルの津波が想定される中、「高知県南海トラフ地震対策行動計画」に基づき、総合的な防災・減災対策を展開しています。津波避難タワーの整備、避難路の確保、防災教育の推進など、ハード・ソフト両面から対策を進めています。

6. 観光振興の推進
「志国高知 幕末維新博」など、坂本龍馬をはじめとする幕末の歴史を活かした観光振興に取り組んでいます。また、四万十川、仁淀川などの自然資源を活かした体験型観光の充実にも力を入れています。

7. 第一次産業の振興
施設園芸、ゆず、カツオなど、高知の強みを活かした農林水産業の振興に取り組んでいます。「Next次世代施設園芸農業」の推進、ゆずの加工品開発、カツオのブランド化など、総合的な施策を展開しています。

8. 林業の振興
森林率84%という全国1位の森林県として、林業の成長産業化に取り組んでいます。木材の生産・加工・流通の体制整備、CLT(直交集成板)の普及、森林環境の保全など、総合的な林業政策を展開しています。

9. 子育て支援の充実
少子化対策として、結婚・妊娠・出産・子育ての各段階で切れ目ない支援を提供しています。保育の質の向上、子ども医療費の助成、ワークライフバランスの推進など、多角的な施策を展開しています。

10. 教育の充実
「高知県教育大綱」に基づき、学力向上、いじめ・不登校対策、キャリア教育の推進など、総合的な教育施策を展開しています。特に、少人数学級の導入など、きめ細かな教育の実現に力を入れています。

これらの政策は、いずれも高知県の持続可能な発展と、県民の暮らしの質の向上を目指すものです。課題先進県として、全国に先駆けた取り組みにチャレンジできることが高知県の特徴です。

勤務環境・職員文化

高知県庁での働き方や職場の雰囲気について、実際の経験を踏まえて紹介します。

異動サイクル
若手職員は概ね2〜4年程度で異動することが多く、本庁と地域機関を交互に経験しながらキャリアを積んでいきます。高知県は東西に長い県域を持つため、県内各地への配属があり、転居を伴う異動も少なくありません。中堅以降は専門性や適性を考慮した配置も行われますが、基本的にはジェネラリストとしての育成方針です。

働き方改革の取り組み
近年、ワークライフバランスの実現に向けた取り組みが進んでいます。テレワークの活用、フレックスタイム制度、時間外勤務の削減など、働きやすい職場環境づくりに力を入れています。ただし、部署や時期によって繁忙度に差があり、予算編成期や議会開会中、災害対応時などは残業が増えることもあります。

職員文化の特色
高知県庁の職員は、全体として実直で熱い想いを持ったタイプが多い印象です。坂本龍馬の県らしく、「いごっそう(頑固で一本気)」の気質を持ち、困難な課題にも果敢に挑戦する文化があります。また、県民との距離が近く、地域に根ざした仕事を大切にする職員が多いのも特徴です。

職場の雰囲気は風通しが良く、上司や先輩に相談しやすい環境です。若手のうちは丁寧に指導を受けられる文化があり、困ったときは周囲がサポートしてくれます。

研修制度
新規採用職員研修をはじめ、階層別研修、専門研修、自己啓発支援など、充実した研修体系が整備されています。また、国や他自治体への派遣研修などもあり、幅広い経験を積むことができます。特に、中山間対策や健康政策など、高知県の先進的な取り組みに関する研修も充実しています。

キャリアパス
高知県庁では、ジェネラリストとして幅広い分野を経験するキャリアパスが基本ですが、専門性を活かした配置も行われます。また、管理職への昇進だけでなく、専門職として活躍する道もあります。近年は、女性職員の活躍推進にも力を入れており、育児と仕事の両立支援なども充実してきています。

職員の声(体験談)

職員A(入庁6年目・現在は中山間振興・交通部勤務)

私が高知県庁を志望したのは、地元高知の中山間地域の課題に向き合いたいと思ったからです。私は四万十町の出身で、幼い頃から人口減少と高齢化が進む地域の現状を見てきました。大学で地域政策を学ぶ中で、高知県が「集落活動センター」という独自の仕組みで中山間対策に取り組んでいることを知り、強い関心を持ちました。

入庁後は中山間振興・交通部に配属され、集落活動センターの推進を担当しました。集落活動センターは、複数の集落が連携して、生活、福祉、産業、防災など、様々な活動を行う拠点です。私は新しいセンターの立ち上げ支援を担当し、地域の方々と一緒に、どんな活動が必要かを考えました。印象に残っているのは、ある山間部でのセンター立ち上げです。最初は「本当にできるのか」という不安の声もありましたが、地域の方々が熱心に議論を重ね、移動販売や配食サービス、子どもの見守りなど、具体的な活動を始めました。「この仕組みのおかげで、集落に希望が見えた」と地域の方が言ってくださったときは、本当に嬉しかったです。

その後、幡多地域の出先機関での勤務を経験しました。幡多は高知県の西部に位置し、四万十川流域の美しい自然に恵まれた地域です。しかし、人口減少が深刻で、集落の維持が大きな課題です。地域の方々と一緒に、観光資源を活かした活性化策を考える日々は、本当に貴重な経験でした。

現在は本庁に戻り、中山間対策の企画立案を担当しています。高知県の中山間対策は、全国のモデルとして注目されています。課題先進県だからこそ、全国に先駆けた取り組みができる。その誇りを持って仕事をしています。

受験生の皆さんへのアドバイスとしては、高知県の課題の深刻さと、それに立ち向かう県の姿勢を理解することが大切です。面接では、あなた自身がどう課題解決に貢献したいか、熱い想いを語ってください。

職員B(入庁7年目・現在は農業振興部勤務)

私は農家の出身で、幼い頃から高知の農業に親しんできました。実家は施設園芸でナスを栽培しており、ハウスの中で丁寧に育てられた野菜が、全国に出荷される姿を誇りに思っていました。大学で農業経済を学び、行政の立場から高知の農業を支えたいと思い、高知県庁を志望しました。

入庁後は農業振興部に配属され、施設園芸の振興を担当しました。高知県は施設園芸が盛んで、ナス、ピーマン、ししとうなど、冬春野菜の一大産地です。温暖な気候を活かし、冬でも高品質な野菜を生産できることが強みです。私は「Next次世代施設園芸農業」の推進を担当し、環境制御技術の導入支援などに携わりました。最新技術を導入することで、収量が大幅に増加した農家もあり、生産者の方々に喜んでいただけました。

また、ゆずの振興にも携わりました。高知県は馬路村や北川村など、ゆずの一大産地があり、ゆずを使った加工品も数多く開発されています。「ゆずの村」として全国的に知られる馬路村の取り組みは、6次産業化の成功事例として有名です。

その後、安芸地域の出先機関での勤務を経て、現在は本庁で農業政策の企画立案を担当しています。スマート農業の導入や、担い手の育成など、高知の農業をさらに発展させるための施策を考えています。

高知県庁の魅力は、生産者の方々との距離が本当に近いことです。現場の声を直接聞きながら、実効性のある政策を考えることができます。地域に根ざして仕事がしたい方には、最適な職場だと思います。

給料・年収・福利厚生

高知県庁職員の給与や福利厚生について、具体的な数字を交えて説明します。

項目金額
初任給(大卒行政職)約185,000円
平均年収(30歳モデル)約430万円〜480万円
平均年収(40歳モデル)約580万円〜630万円
平均年収(50歳モデル)約680万円〜730万円

主な手当

  • 扶養手当:配偶者や子どもなどを扶養している場合に支給
  • 住居手当:賃貸住宅に居住する場合に支給
  • 通勤手当:通勤に要する費用を支給
  • 時間外勤務手当:超過勤務に対して支給
  • 期末・勤勉手当:年2回支給(ボーナス)
  • 地域手当:高知県は基本的に支給なし

休暇制度

  • 年次有給休暇:年20日(繰越可能)
  • 夏季休暇、結婚休暇、出産休暇、忌引休暇など
  • 育児休業・介護休業制度も充実

福利厚生

  • 共済組合による医療・年金制度
  • 職員宿舎(若手職員向けに一定期間利用可能)
  • 充実した研修制度・自己啓発支援
  • 職員互助会による各種福利厚生事業

給与水準は、都道府県の中では標準からやや低めの水準です。地域手当が支給されないため、初任給は他県に比べてやや低く見えますが、高知県は生活コストが非常に安く、特に住居費や食費は都市部の半分以下で済むため、実質的な生活水準は決して悪くありません。民間企業と比較すると初任給はやや控えめですが、年功序列で着実に昇給していくため、長期的に見れば安定した収入が得られます。また、福利厚生が充実しているため、トータルでの待遇は魅力的です。

採用試験の内容

高知県庁の採用試験は、以下の流れで実施されます。

1次試験(筆記試験)

  • 教養試験:一般知識(社会科学、人文科学、自然科学)と一般知能(文章理解、判断推理、数的処理など)
  • 専門試験:行政職の場合、政治学、行政学、憲法、民法、経済学など

2次試験

  • 論文試験:県政課題や時事問題について、800字〜1,000字程度で論述
  • 適性検査:性格検査など

3次試験

  • 個別面接:志望動機、自己PR、これまでの経験、高知県の政策に関する質問など

最終倍率の傾向
高知県庁の採用試験倍率は、職種や年度によって変動がありますが、行政職(大卒程度)の最終倍率は概ね3〜6倍程度で推移しています。全国的に見ると比較的低めの水準であり、しっかりとした対策を行えば十分に合格を目指せるレベルです。

面接・論文で問われやすい政策テーマ

  • 日本一の健康長寿県構想
  • 中山間対策(集落活動センター)
  • 産業振興計画(地産外商)
  • 移住促進(高知家)
  • 南海トラフ地震対策
  • 第一次産業の振興(施設園芸、ゆず、カツオなど)
  • 観光振興(志国高知 幕末維新博など)
  • 森林資源の活用
  • 子育て支援の充実
  • 教育の充実

これらのテーマについて、高知県の現状や課題、県が取り組んでいる施策を把握した上で、自分なりの考えを整理しておくことが重要です。単に知識を述べるだけでなく、「なぜ自分がこの課題に取り組みたいのか」「高知県職員としてどう貢献したいのか」という想いを込めて語れるようにしましょう。

志望動機を作るコツ(高知県庁編)

高知県庁の志望動機を作成する際のポイントを解説します。

1. 課題先進県という現実を理解する
高知県の最大の特徴は、人口減少率・高齢化率が全国トップクラスという厳しい現実に直面していることです。この課題への理解と、それに立ち向かう姿勢を示すことが重要です。

2. 先進的な取り組みへの共感を示す
課題先進県だからこそ、集落活動センターや日本一の健康長寿県構想など、全国に先駆けた取り組みを行っています。これらへの理解と共感を示しましょう。

3. 豊かな自然・文化への理解を示す
四万十川、仁淀川などの清流、森林率84%という豊かな自然、坂本龍馬の歴史など、高知ならではの魅力への理解を示すことが効果的です。

4. 地域への強い想いを示す
高知県は課題が厳しいからこそ、「この地域を何とかしたい」という強い想いが求められます。地域への愛着や貢献意欲を明確に示しましょう。

5. 高知県ならではの特性を活かす
「なぜ高知県なのか」を明確にすることが最も重要です。課題先進県、清流、龍馬の精神など、高知県特有の要素に触れ、他の自治体ではなく高知県を志望する理由を説得力を持って説明しましょう。

志望動機の例文

私が高知県庁を志望する理由は、課題先進県として全国に先駆けた取り組みに挑戦し、地域の未来を切り拓く仕事に携わりたいと考えたからです。

私は高知で生まれ育ち、幼い頃から人口減少と高齢化が進む地域の現状を見てきました。私の祖父母が暮らす中山間の集落では、若い世代が次々と都市部に流出し、高齢者だけが残されていく状況を目の当たりにしました。大学で地方創生を学ぶ中で、高知県が人口減少率・高齢化率ともに全国トップクラスという厳しい現実に直面していることを改めて認識しました。しかし同時に、高知県が「集落活動センター」という独自の仕組みで中山間対策に取り組んでいることを知り、強い感銘を受けました。

特に興味を持ったのは、複数の集落が連携して生活サービスを維持する集落活動センターの取り組みです。ゼミで実際にセンターを訪問し、地域の方々にお話を聞きました。「このセンターがなければ、集落は維持できなかった」という言葉が印象に残っています。過疎化が進む中でも、地域の方々が知恵を絞り、助け合いながら暮らしを守る。その姿に、地域の底力を感じました。課題先進県だからこそ、全国に先駆けた取り組みができる。そして、それが全国のモデルになる。この挑戦に携わりたいと思いました。

また、高知県が推進する「日本一の健康長寿県構想」にも共感しました。高齢化が進む中、いかに健康で生き生きと暮らせる環境を整えるか。「あったかふれあいセンター」など、地域で支え合う仕組みづくりは、高齢社会における重要なモデルだと思います。

一方で、高知県は四万十川や仁淀川など、美しい清流に恵まれています。森林率84%という豊かな自然も、高知の大きな財産です。私は学生時代、四万十川でカヌーを体験しましたが、その透明度と美しさに感動しました。こうした自然資源を活かした観光振興や、移住促進にも可能性があると感じています。

また、坂本龍馬をはじめとする幕末の志士を輩出した高知には、困難に立ち向かう「いごっそう」の精神があります。この精神を受け継ぎ、厳しい課題にも果敢に挑戦する。そんな気概を持って働きたいと考えています。

私は県職員として、特に中山間対策や移住促進の分野で貢献したいと考えています。課題先進県として、全国のモデルとなる政策を創る。地域の方々と一緒に、持続可能な地域づくりに取り組む。厳しい現実に向き合いながらも、高知の未来を切り拓く一員でありたい。県民が笑顔で暮らせる高知県の実現に、職員として全力で貢献したいと強く願っています。

まとめ

高知県庁の特徴を整理すると、以下の点が挙げられます。

  • 人口減少率・高齢化率が全国トップクラスの課題先進県
  • 集落活動センターなど、全国に先駆けた中山間対策を展開
  • 日本一の健康長寿県構想で先進的な健康政策を推進
  • 四万十川、仁淀川など美しい清流と森林率84%の豊かな自然
  • 坂本龍馬の精神を受け継ぐ挑戦的な文化
  • 実直で熱い想いを持った職員文化
  • 県民との距離が近く、顔の見える関係で仕事ができる
  • 若手のうちから責任ある仕事を任される環境

公務員試験の準備では、筆記試験の勉強と並行して自治体研究を深めることが合格への近道です。特に面接では、「なぜ高知県なのか」という問いに対して、自分の言葉で説得力を持って答えられるかが評価されます。

志望動機を考える際は、県の施策を羅列するのではなく、高知県の地域特性や課題を理解した上で、それに対する自分の想いや貢献したい分野を明確に語ることが重要です。課題先進県として全国のモデルとなる政策をどう創るのか、豊かな自然をどう活かすのか、中山間地域をどう維持するのか。あなた自身の経験や価値観と、高知県が目指す方向性を結びつけることで、オリジナリティのある志望動機が完成します。

自治体研究と受験勉強の両立は簡単ではありませんが、志望先への理解を深めることは、勉強のモチベーション維持にもつながります。この記事が、あなたの高知県庁研究の一助となれば幸いです。

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